こんにちは、デザイナーとして口に糊してるRXです。
初心者とプロのデザイナーの違いの一つにフォントの選び方があると思います。
プロだったら高級フォントをつかってるから、いいものができるんじゃないの?って思う方もいると思います。
もちろん有料の素晴らしいフォントを使える環境にあるのも確かですが、今はフリーのフォントでもプロユースに耐えるものがあったりしますし、なによりデザインの方向性と、フォントの使い方のコツを抑えれば、フリーのフォントでも初心者とプロでは明確な差が生まれます。
今回はそのコツを紹介しますね。
初心者の方でもすぐに真似できる、知っているか知らないかの差レベルの話ですが、世の中見渡してもこれが意外とできてない人が多いので、知っているだけでデザインのレベルが一つあがりますよ!
フォントを選ぶコツ【超基本】
使うフォントの種類を絞る
初心者のかたにありがちなのが一枚の紙面に、ありとあらゆるフォントが乱舞しているパターン。
機能があるから使うというのはわかるのですが、統一感がなくなる原因なのでやめた方が無難です。機能というのはあくまで見せたい物を実現するためのものであり主役ではないのです。
フォントは多くても3種類ぐらいまでに止めるのが、デザインをコントロールしやすいです。
ファミリーがあるものを選ぶ
ファミリーとはなんぞや?と思う方も多いでしょう。
フォントの中には一つの書体に付き太さが何種類もあるものがあり、一つ一つの太さを差してウェイト。ウェイト全部をひっくるめてファミリーといいます。
例えばL・R・B・Hの4種類のウェイトがあるファミリーの場合、
タイトルには一番太いH(ヘヴィ)をつかって、見出しにはちょっとだけ太いB(ボールド)。本文は細くて読みやすいR(レギュラー)、写真のしたの補足説明は小さく細いL(ライト)を使う。
こういった具合に、本文中に使う書体を一つにまとめつつも、太さの違いによって重要度のメリハリをつけることができます。
使うフォントを絞るというのは無難にまとまりやすく、デザインの方向性にあったフォントを選びさえすれば最終的な仕上がりで大ハズレを起こすことはないです。
ファミリーがあるフリーフォント
フリーフォントでもファミリーがある書体はあるのでぜひ活用してくださいね。
[box class="blue_box" title="源ノ角ゴシック"]
[/box]
[box class="blue_box" title="源ノ明朝"]
[/box]
書体の種類
日本語書体
明朝体
文字の「とめ」や「はらい」、「うろこ」といったエレメントがある書体です。
高級感や落ち着きが欲しい場面の小見出しに太めの明朝体を用います。小説や資料など長めの文章をスッと読ませたい時によく使う書体です。
ゴシック体
文字の線の太さが一定の文字です。
明朝体のようなとめはねはらいといった要素はほぼありません。
小さめのポイント(文字のサイズの単位。1ptあたり0.35mm)でも、可読性が失われにくいのでなるべく小さく入れたいキャプションなどに向いています。
太めのゴシックは力強い印象を与えるので、見出しやタイトルに用いることが多いです。本文でも閲覧する環境によっては明朝体が見辛いこともあるので、ゴシック体を用いることもあります。
その際は若干細めのものを用いると全体が黒い印象にならず、モダンにまとまるはずです。
筆書体
筆で書いたような文字です。行書体、隷書(れいしょ)体などが含まれます。
和の雰囲気が前面に出るので、使用する場面は自ずと限られてきます。もうすぐ年賀状のシーズンなのでそういう場でドドーンと使いたい書体ですね。
デザイン書体
ポップなあしらいを施していたり、手書き風の文字だったり上記の3枠に含まれない書体はほぼこのカテゴリに含まれます。総じてアクが強く、目を引くので基本は多用はせずワンポイントを飾るのに用います。
みんな大好き創英角ポップ体もこの書体。
よく一般の会社で総務の方が、会社の告知等にこの書体を使ってナンジャコリャー?って感じの紙面になってるのは、たいていこの書体をつかってるせい。
会社の告知というビジネスシーンに、このような楽しげな書体を用いることで、デザインをしていない人間でもなんとなく違和感を覚えてしまうのですね。
おそらくwindowsのエクセルやワードに入ってる、一番太い書体がこの創英角ポップ体で、すこしでも太い書体をつかって目立たせたいという制作の意図はつたわってきますが、ここはグッと我慢して上のほうで紹介した源ノ角ゴシックの太めのウェイトを使うなど、よりふさわしいフォントを用いると、1ランク上の紙面にデザインできます。
デザイン初心者はこういったデザイン書体は、とりあえず封印してゴシックや明朝系のベーシックな書体だけで文字組をするほうがデザインの難易度が下がると思います。
創英角POP体最高!!
プロの現場では創英角POP体を使うことはほぼないですが、まいばすけっとという関東で展開されている、イオン系のスーパーマーケットではこの書体をあしらって店舗のロゴを制作されています。
このチョイスは非常によく考えられた戦略を感じるのですが、それについてはまた別の機会に書けたらいいなと思っています。
ところで今回の記事のアイキャッチに創英角ポップ体を使用しているのですが、お気づきになられたでしょうか?
この書体を使うならこんな感じで使うかなーとあえてつかってみましたが、やっぱりちょっと違和感があるかなっ。またデザインも今回の記事の基本に沿って、極力シンプルな感じにしてみました。
これぐらいならなんとなく自分でも作れそう!って思いませんか?大丈夫、もうできるはずです。やりましょう!
欧文書体
欧文書体については、今回は軽く流す程度に書きます。
セリフ体
欧文の明朝体と捉えて問題ないかと思います。
サンセリフ体
逆にこちらは欧文のゴシック体。
スクリプト体
欧文の筆書体。……筆記体といったほうが馴染みがあるかもしれませんね。特に日本人にとっては可読性が著しく低いので、使い方はデザイン書体のようになると思います。
デザイン書体
欧文にもデザイン書体は豊富にあります。グランジのあしらいを施したものや、中世のゴシック調を思わせる書体など。やはり可読性は日本語のそれ以上に悪くなるので、読ませたい文章には使わない方が良いと思います。