PSP版をHD化。難易度調整・ボイス追加等追加要素はあるが目新しいコンテンツはない。
スターオーシャン First Departure Rは12/5に発売されたダウンロード専売のゲームで、
1996年に発売されたSTAROCEAN、それをリメイクした2007年発売のSTAR OCEAN First Departure、その移植+多少の変更版が今作です。(ややこしい)
私は敬虔なトライエース信者といっても過言ではなく、STAR OCEANと名のつくシリーズはほぼ全て遊んできました(アナムネシスの前にサービスしていたソーシャルゲームだけはやっていません)
初代を新作で購入、リメイク版のFirst Departure(以下FD)も本体セットのものを買うぐらいにはSTAR OCEANは好きなタイトルです。
中でも初代が一番好きなんですよね。
今では珍しくないですが当時では画期的な声付き、アイテムの細かなフレーバーテキスト。
スキルシステムやアイテムクリエイションetc...。
当時のRPGではかなり新しくて尖ったゲームだった記憶があります。
当然のようにどハマりしてゲームソフトを何本も買えなかったことも手伝って
何周も何周も遊んだ記憶があります。
今回はそんな信者目線で、本作の感想を書いてみたいと思います。
旧作からの変更点
First Departure R(以下FDR)は12年前に発売されたFD版をHD対応させたもの・・との触れ込みですが
それに加えていくつかの変更点があります
1.難易度調整+フィールド移動倍速機能
2.新規立ち絵追加(イラストレーターはSO4のエナミカツミ氏)
3.旧キャストのボイス追加
今回は上記三点の感想+αを書いていきます。
1.難易度調整+フィールド移動倍速機能
リメイク版の不満点であった難易度の調整。
STAR OCEANのオリジナル、SFC版はとにかく簡単なゲームでした。
特にラスボスの弱さはちょっとした話題になるぐらいで、 史上最弱のラスボスなんて言われてたぐらいです。そのラスボスもPSP版では相当テコ入れされ、それなりにボスの風格はでました。
しかしそれでもやっぱり簡単なゲームなのは否めません。
他のナンバリングではもはや恒例になりつつある高難度モードがなかったのも手伝って、
FD版はオリジナルを懐古しつつ、さっくりクリアして終わった記憶があります。
今回発売されたFDRでは、難易度にかなりのテコ入れがされており、序盤でも囲まれるとうっかり全滅する可能性があります。
中盤以降は敵の紋章術を2発連続で食らうとほぼ死ぬ。敵に囲まれて数の暴力に晒されるとあっという間に死ねるという状況なので、
前衛は広範囲の必殺技を活用して足止めしつつ、高火力の紋章術で処理したりCON(防御力)AVD(回避率)の数値を意識して隊列を組む必要があったりと
旧作では難易度が簡単すぎたゆえに死んでた要素が、今作では生きてくるので相当やりごたえがあります。
修行(パラメーターがダウンする代わりに取得経験値アップ)や開眼(戦闘中の移動速度が落ちる代わりにレベルアップ時のスキルポイントが増加)といった効果も常時オンにするのはかなり厳しいバランスになっています。
逆に言えば、STAROCEAN自体が初めてのプレイヤーには相当優しくないので、開発陣の割り切りを感じますね・・・!
それでも中盤以降でアイテムクリエイションをフル活用したプレイなら、
まだまだ鼻歌まじりで敵を捌ける余裕があるので、腕に覚えがある古参プレイヤーなら
なにかしらの縛りをいれて遊ぶのも良さそうです。今作は縛りプレイのやりがいもありそうなのでそういう意味でもファン向けと思いました。
移動の倍速機能に関しては特に不満もなく、常時このスピードでも良いのでは?という感じです。
2.新規立ち絵追加
PSP版のイラストもまるっこいデザインでそれはそれで可愛いのですが、
初代の雰囲気とは大分かわってしまったので、個人的にはあまりしっくりきていませんでした。
今作のイラストを担当されたエナミカツミさんはSO4のキャラクターデザインを担当された方ですが、
ソーシャルゲーム版のスターオーシャンアナムネシスではラティ、他レナ(水着版)、リムル(成長後)、クロウ等々のイラストも書き下ろしておりファンなら馴染みのあるイラストレーターさんです。
今回FDR用に描き下ろされたイラストは、ラティはカッコ良く、ミリーはカワイイ。どのキャラクターも自分の中のイメージにぴったりでした。
イラストに関しては個人の好みだと思いますが、当時のデザインをデティールアップしつつ、キャラの雰囲気を損なわない良いデザインだと思います。
3.旧キャストのボイス追加
これに関してはソーシャルゲーム版のスターオーシャンアナムネシスで、旧作キャストのボイスが実装されたものの、初代版のボイスをクリンナップしただけだった(に聞こえた)ので、あまり期待していなかったのですが
今作ではストーリーパートや必殺技のボイスも当時のキャストを集めて全て再録しているようです。
これにはかなり驚きました。
ロニキスやマーヴェルもオリジナルのキャストさんを採用されているので、とても熱意を感じますね。
そしてやっぱり結城比呂さんのラティはカッコいいです。
ただ、初代から数えて23年も経てば演技も変わるもので、当時とは雰囲気が変わっていたりします。
特に檜山修之さん演じるヨシュアが顕著で、檜山さんといえば熱い男キャラというイメージがあり、
オリジナル版のヨシュアは美形の見た目に反してキュアオールでアツいシャウトを聴かせてくれるギャップがナイスなキャラでしたが、
今作では普通に落ち着きある線の細いイケメンキャラの演技になっています。
解釈的には今の方が正しいと思いますが、オリジナルの演技も好きだっただけにちょっぴり残念。
気になった点
今作は完全リメイクではなく、HDリマスターであり、目新しいゲームコンテンツの追加要素はなかったのが残念です。
難易度調整で本編が新鮮味をもって遊べるようになっていますし、立ち絵やボイスも想像以上によかっただけに、なにかしらの追加要素は欲しかった。
また土台は23年前のゲームなので全体的に古臭いのは否めません。
最近のチュートリアルからなにまで至れり尽くせりのゲームに慣れると、
最序盤でイベントの導線がぶつっと切れるのが気になったり、
メトークス山を何度も往復するのが面倒だなぁと思ったりします。
ラスト付近のシナリオ展開もPSP版でテコ入れされたとはいえやっぱり味気ないなぁと……。
でも古参ファンとしてはシリーズが忘れられていない、初代を遊べる環境を用意されただけでも嬉しいですし、思ったよりも遊べたので値段分の満足度はありました。
この調子で聖剣伝説3クラスのフルリメイクもこっそり期待してますよ・・!
スターオーシャン1 ファーストディパーチャー 公式コンプリートガイド (SE-MOOK)